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不徳の敗者(2025年1月)
世の中にはいろいろな人がいます。妙な癖を持つ人もいます。頑固、偏狭、欲張り、へそ曲がり、あまのじゃく、利己主義、けちん坊、といったいろいろな性格を持った人がいます。あんな人とは縁を持ちたくないと思うこともありましょう。合わせにくい人はたくさんいます。
しかし、そういう人に出会ったら、その人を野球にたとえて「名投手」と思えば腹は立ちません。この投手の球はとにかく打ちにくいが、打てればレギュラーになれると思えばいいのです。そう思えば幾度失敗しても、次は打てるように練習をするはずです。苦手意識を克服して「必ず打てる」と思わなくては自分が負け犬になって、その世界に生きることができなくなります。
ご主人がわがままで、頑固で、でたらめなために苦しんでいる奥さんが随分います。話を聞くと、苦しみながらご主人によく仕え、ムリ難題にも合わせ、許し、尽くしています。そんな人を私も何人か知っています。痛ましいと思い、時々は「放っときなさい」と言いたくなります。
ところが、そうしたご家庭には立派な子供が育っていることも多いのです。子供が育ち一人前になりますと、実にできのよい子供たちが母を大切にしてくれます。長い間の苦労が報われて、老いて楽しい母の生活を送ることができるのです。
かつての封建的な時代の妻になれというのではありません。しかし、自分の運命の不徳をよく見つめてください。そうして天地の大法に学んで、相対立するものへ合わせる訓練をしていただきたい。主人が嫌だから別れるというのは、主人に合わせることができないから別れるということです。これでは自らの不徳と不運から訣別することができません。結局は敗者となります。
相手が変わらない時は自分のほうを変えて合わせます。合わせ下手、空振りは敗けと思うべきです。