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信仰とは(2025年5月)
人は、予期せぬ病気や事情に出会って人の力の及ばない時に、何か超能力らしきものに頼ろうとします。
たいていの人は、その主を神と呼び、自分の思い通りになることをご利益があると言います。この姿は人間から神に声をかけている姿です。これは、人のこととか全体を考えるのではなくて、ただ自分の欲望を満たすためのものですから、本当の神は嘆いておられることでしょう。また、この世の不思議、生命の神秘さを感じて自然の力を神の力と受けとめ、自分流の神をつくり出す人もいますが、これも人から神への声かけと言えます。
どんなに素晴らしい能力を持ち、偉い人であっても、本当の神が分かるものではありません。なぜなら人間は皆、不完全ですから、完全な神が分かるはずがないからです。
本当の信仰とは、このように自己の要求を満足するために神に声かけをするのでなく、神からの声かけに応えることにあります。私たち人間にはいろいろな生き様の人がいて、残念なことに自分の損得を中心とした生活しか考えられないことが多いのです。
しかし、すべての人の心の奥底(魂)には、本来、清らかなものが流れているわけで、そのことから考えてみれば、人は皆、神からの声かけに応えることができる素質を持ち合わせているのです。
神は、人間は漫然と生きるのではなくて、生の目的があるとおっしゃいました。その目的とはこの世の創り(生態系)に心を合わせ、人間はお互いに助け合って生きていくことであります。そして、なぜそうしていなければならないのかを教えて下さいました。
この神からの声かけを生活の上でどう悟り、どう生かしていくのか。
私は、
- 大自然の真実を知り、天理に従うことをご利益より優先させること〈真〉
- そして正しい心を持ち、善い行いをすること〈善〉
- 美しい心を持ち、美しいものに惹かれる人になること〈美〉
であると思います。この真・善・美は、人の考えた道徳ではなく、神がこの世を創られた原理・原則を尺度としたものです。